3)食の技・目利きの技、食のテーマパーク

(1)仲卸が築地市場の中心である
 築地市場の特徴は、仲卸を中心とした食材の目利き(品質と値段設定)の技である。

(2)仲卸と料理店などとの相互関係が築地に目利きの技をはぐくむ
 銀座・赤坂・青山など食通の店を後背地に持ち、これらの様々な料理屋との関係が築地市場の仲卸の目利きの技を支えている。この観点からも、築地という立地が決定的な役割を果たしている。

(3)ただし、仲卸の数が減少しており、新規参入や事業の継承が大きな課題となっている

 こうした築地の魅力を豊洲に移植することが絶対に不可能とまでは言わないが、ブランド力や立地のハンデキャップを克服するには相当の時間がかかるだろう。そうであれば、基本線として老朽化した築地を発展的に再開発・再整備する方向で考えるのは自然な発想であろう。すなわち、「築地は守る」、つまり「築地の次は、築地」なのである。

豊洲市場の活用方法
総合物流拠点に転用

 では、豊洲市場はどうするのか。ここで注目すべきは、その立地特性と優れた冷凍物流機能だ。すなわち、豊洲は羽田と成田に近い上、今回の一連の意思決定の結果環状2号線が開通すれば一層利便性が高まり、湾岸地域の物流センターとして極めて有利な立地である。そこで豊洲では、市場機能のうちの、転配送機能や市場外流通機能を維持発展させることで発展的に用途転用することが可能である。大手卸売業者は中央卸売市場としての豊洲市場をベースにすることも合理的であろう。

 特に、2020年からはHCFCフロン規制が始まり、各地の業務用冷凍冷蔵庫の更新需要が期待されるため、冷凍冷蔵庫を備えた物流センターには大きな可能性がある。図4は、冷凍倉庫の需給ギャップの推移予想をまとめたものだ。2020年以降、需要は大きく供給を上回り、賃料の上昇も見込める。好立地にある豊洲が用途転換によって冷凍冷蔵庫を備えた物流センターとして発展していく余地は大きく、その場合の事業採算性も好転する可能性は十分にあると思われる。

【図4】