ユウキ、問題の解決策を
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クラウドができたので、さらにユウキに問いかけを続けました。
私「『ラクして楽しい思いができる』ことと、『トラブルの元を作らないですむ』ことを両立できるうまい方法はないかな?」
ユウキ「……」
1分待っても妙案は出てきません。そこで、2つ目の方法を使ってみました(図表3)。
私「『友だちにおごってもらう』と、『トラブルの元を作らないですむ』ことが難しいのはどうしてかな?」
ユウキ「お金はトラブルの元だから。おごってくれた友だちがあとになって『あのときおごっただろ』と言って、私のことを都合よく使おうとするから」
もう1つの斜めの関係も、同じパターンで問いかけをします。
私「『友だちにおごってもらわない』と、『ラクして楽しい思いができる』ことが難しいのはどうしてかな?」
ユウキ「おごってもらわなければ、私のお金がなくなっちゃうから。そうすると、他に欲しいものが買えなくなっちゃうから」
こうして書きだしてみると、2つの考えがユウキを悩ませていたことがわかります。
・おごってもらうと、あとで「使われる」
・おごってもらわないと、他に欲しいものが買えなくなる
私「おごってもらうと、あとで『使われる』って感じていると思うけれど、それはどんなときにも起こるのかな?おごってもらっても、使われない方法は何かないかな?」
私「もう1つ。おごってもらわないと、他に欲しいものが買えなくなるって感じていると思うけれど、それは本当にそうなのかな?おごってもらわなくても、欲しいものが買える方法は何かないかな?」
ユウキ「……」
私「何かうまい方法はないかな?」
すぐには答えは出てきませんでした。ユウキには宿題として、次に会うときまでに考えてもらうことにしました。
それまでとは逆の視点から考えるトレーニングをしているのですから、すぐには答えが出ないほうがむしろ自然です。そんな場合は、一晩くらい考えてもらうことがきわめて有効です。その際には、整理したクラウドの図を渡しておくことがポイントです。図を見ながら考えることで、脱線せずに考えられるからです。