私「もし、ラクして楽しい思いができることと、トラブルの元を作らないですむことを両立できたら、どんないいことがあるかな?」
多くの場合、この問いかけへの答えは、あまり具体的ではない一般的な表現になります。
少し一緒に考えてみたあと、ユウキは「充実した学校生活を送る」という答えにたどり着きました。こうして出来上がったのが図表2です。
クラウドの箱の使い方を
復習しよう
それぞれの箱の使い方を復習しましょう。
右側の2つの箱(DとD')には、同時に選ぶことができない「選択肢」とか、同時に受け入れることができない「主張」を書き入れます。これは〈行動の箱〉と呼んでいます。
ユウキの例では、「友だちにおごってもらう」「友だちにおごってもらわない」の2つを、右側の〈行動の箱〉に書き入れます。
真ん中の2つの箱(BとC)には、〈行動の箱〉のそれぞれに対応するように、「行動によって、本当に達成したいこと」とか「行動をとることで、どんなうれしいことがあるか?」を書き入れます。これは〈要望の箱〉と呼んでいます。
ユウキの例では、「ラクして楽しい思いができる」「トラブルの元を作らないですむ」の2つを、真ん中の〈要望の箱〉に書き入れます。
左側の1つだけの箱(A)には、「2つの要望を両立することにより、どんなことを達成したいのか?」とか「どちらの行動をとるべきと主張している人(立場)でも合意できる共通のゴール」を書き入れます。これを〈共通目標の箱〉と呼びます。
ユウキの例では「充実した学校生活を送る」となります。友だちにおごってもらいたいユウキも、おごってもらいたくないユウキも、どちらのユウキにとっても「充実した学校生活を送る」ことがゴールということです。
このクラウドを読み上げると、次のようになります。
「充実した学校生活を送る」ためには、「ラクして楽しい思いができる」必要がある。
「ラクして楽しい思いができる」ためには、「友だちにおごってもらう」べきだと思う。
「充実した学校生活を送る」ためには、「トラブルの元を作らないですむ」必要がある。
「トラブルの元を作らないですむ」ためには、「友だちにおごってもらわない」べきだと思う。
「友だちにおごってもらう」ことと、「友だちにおごってもらわない」ことは同時にはできない。