さらに、乳製品やアイスクリームが好調に推移した乳業関連も、円高進行による輸入原材料の調達コストの減少も相俟って、好調に推移した。化粧品関連でも、ボディペーパーなど好調な季節商材が目立った。一方、ガス関連は猛暑で需要が減り、医療用医薬品はお年寄りの通院が遠のいたことなどにより、猛暑がマイナスに作用したようだ。

 以上の事実を勘案すると、仮に今年の夏も猛暑となれば、幅広い業界に恩恵が及ぶ可能性がある。

エアコンから目薬、アルミニウムまで
「猛暑効果」は想像以上に幅広い

 事実、過去の実績によれば、猛暑で業績が左右される代表的な業界としてはエアコン関連や飲料関連がある(資料1参照)。また、目薬や日焼け止め関連のほか、旅行や水不足関連も過去の猛暑では業績が大きく左右された。そのほか、冷菓関連や日傘・虫除け関連といった業界も、猛暑の年には業績が好調になることが多い。

 さらに、飲料の販売比率の高いコンビニや猛暑による消費拡大効果で、広告代理店の受注も増加しやすい。缶・ペットボトルやそれらに貼るラベルを製造するメーカー、原材料となるアルミニウム圧延メーカー、それを包装するダンボールメーカーなどへの影響も目立つ。

 さらには、ファミレスなどの外食、消費拡大効果で荷動きが活発になる運輸、猛暑で外出しにくくなることにより販売が増える宅配関連なども、猛暑で業績が上がったことがある。一方、食料品関連やガス関連、テーマパーク関連、衣類関連などの業績には、過去に猛暑がマイナスに作用した経験が観測される。

◆資料1:過去の猛暑で恩恵を受けた業界

(出所)各種アナリストレポートを基に作成 拡大画像表示

 そこで、過去の気象の変化が家計消費全体にどのような影響を及ぼしたのかを見てみよう。内閣府『国民経済計算』を用いて、7-9月期の実質家計消費の前年比と東京・大阪の平均気温や日照時間の前年差の関係を見た(資料2参照)。すると、両者の関係は驚くほど連動性があり、7-9月期は気温上昇や日照時間が増加したときに、実質家計消費が増加するケースが多いことがわかる。したがって、単純に家計消費と気温や日照時間の関係だけを見れば、猛暑は家計消費全体にとっては押し上げ要因として作用することが示唆される。

◆資料2:7-9月期の気象と家計消費の関係

(出所)気象庁、内閣府資料より筆者作成 拡大画像表示