2020年代前半の一般道自動運転は
トヨタが自らに課した“宿題”か

 他方、課題もある。さらに一歩進んだ形の高度な自動運転については、過去2年ほどで世界各地の産業界や行政の動きが急変しており、明確な“宿題”が設定しづらい。そうした中で、仮に技術的には可能でも、「万が一の中の万が一」の場合に想定されるPL(製造者責任)及び企業イメージダウンというハイリスクを、どのように考慮するのか。

自動車線変更を行う際、インパネ内での表示 写真提供:レクサスインターナショナル

 また、エヌビディアやインテルなど、これまで自動車メーカーにとって二次下請けの立場(ティア2)だった半導体メーカーが、自動運転の本格量産化を機に、ハードウエア、ソフトウエア、SDK (ソフトウエア・デベロップメント・キット)、クラウド連携、さらにMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)まで含めた、包括的で大胆な事業戦略を、世界規模で打ち出してきた。このことからわかるように、自動運転とは、自動車産業が移動体ハードウエア製造業からデータ産業へと転換する“架け橋”なのだ。

 こうした巨大な時代変革に直面していることを、先進技術開発カンパニーを含めて、トヨタの上層部は十二分に承知している。

 その上で、2020年代前半に一般道での自動運転「アーバンチームメイト」の量産化を目指す、と明言したのだ。トヨタは自らに“宿題”を出したといえるだろう。

 この先、道路インフラとの通信として協調の推進など、トヨタにとってまだまだ大きなハードルが、いくつも立ちはだかっている。

(ジャーナリスト 桃田健史)