LCCもサービスで差別化

 ちなみに、今回の提携発表で、JALはベトジェットをLCCではなく「ハイブリッド・エアライン」として打ち出している。

 業界関係者も聞き慣れない言葉だが、要は「低価格でも上質なサービス」を売りに、フルサービスキャリアーとLCCの「いいとこ取り」をした、新しいカテゴリーを指す。具体的には、LCCでは珍しくエコノミーより上の座席クラスを設定し、空港ラウンジを使えるようにするなどしている。

 JAL利用客はサービスに対する期待値が高く、LCCに対して「安かろう、悪かろう」という印象を持つ客も少なくない。「コードシェアを実施するに当たって一般的なLCCのサービスでは、お客さまにがっかりされてしまう」(JAL幹部)。そうした点でも、以前から上級サービスを提供していたベトジェットとのパートナーシップは理想的だったと明かす。

 ハイブリッド型が登場する背景には、LCCが増殖し競争が激しくなったことが挙げられる。例えばシンガポールのLCC、スクートとタイガーエアは経営難から合併するなど合従連衡も起きている。LCCも価格以外で差別化する時代に突入しているのだ。

 JALは今春、新規投資制限が解除された。ベトジェットへの出資は現時点で予定していないというが、新たな提携戦略の行方が注目される。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 柳澤里佳)