リクルートグループは8月末、フィンテックを活用した中小企業向け融資を開始する。貸金業への本格参入の検討に向け動きだしたのだ。
貸金業を行うのは昨夏に設立した子会社のリクルートファイナンスパートナーズ。まずはリクルートが運営する旅行予約サービス「じゃらんnet」に参画している宿泊施設運営企業の一部が貸し出し対象となる。
最大の特徴は融資申し込みから審査、入金までがオンラインで完結することだ。リクルートでは、じゃらんを通じて各宿泊施設の予約状況などを把握している。こうした商取引データを持つ強みとフィンテックなどを活用することで、迅速な融資実行を目指す。
従来、中小企業は金融機関からの融資を受けにくく、融資実行までに時間がかかるケースが少なくない。宿泊施設のように繁忙期と閑散期の需要に波がある業界の場合、特に閑散期の資金繰りに問題を抱えやすい。
それ故、リクルートでは「銀行のような長期融資ではなく、少額で日々の資金ニーズを解決する融資を想定している」(リクルートホールディングス)という。