私の一言にご主人は激怒
まず一度受け止めるべきだった

『「稼げる営業マン」と「ダメ営業マン」の習慣』(明日香出版社刊)菊原智明著、231ページ、1512円(税込み)

 そこで、私はその嫌な空気を何とかしようと考えて、つい「どうして書斎が必要なのですか?」と質問してしまった。単純に理由を聞きたかったこともあるからだ。

 まさに、火に油を注ぐ、余計な一言だった。

 その質問に対してご主人は目をつり上げ、「欲しいものは、欲しいんです!」と激怒したのだ。今、思えば、タイミングも最悪だった。家族に猛反対されている中「どうして必要なのですか?」などと聞けば、怒るのも当然だろう。これ一発で、商談は消えてなくなった。

 繰り返すが、できる営業マンはお客様を怒らせるような聞き方は決してしない。お客様に聞きたい用件があっても、すぐに「どうしてですか?」と直接的な質問はしないのだ。できる営業マンはお客様から要望を聞いたら、必ず一度受け止めるものだ。

 先程の書斎の例であれば、まず「書斎を希望しているのですね。やはり自分のスペースが欲しいですよね」と一度肯定的に受け止める。

 まず、しっかりと意見を受けとめた後に…

「どうしてそう思われたのですか?」
「どのような使い方をするのですか?」
「具体的なイメージをお持ちですか?」

 などと一つひとつ、丁寧にヒアリングしていく。だからこそ、お客様は「本心」を話してくれるのだ。

 話を聞いてすぐに「おめでとうございます!」だとか「どうしてですか?」などと言っていたのでは、ダメ営業マンから抜け出すことはできない。

 一度は受け止め、じっくり話を聞いてから発言することが大切なのである。その余裕が、お客様からの信頼を勝ち取ることになるのだ。