日経平均株価は、1万9500円から2万0300円までのおおむね2万円前後のボックス圏相場を続けている。これは近年の日本株売買取引の70%程度を占め、相場の動きをつくり出している外国人投資家が様子見姿勢を続けているためと考えている(図参照)。
足元の4~6月期の日本企業の業績は堅調である。なのに、なぜ外国人投資家は動かないのだろうか。そこには二つの理由があると考えている。それは米国経済のピークアウト懸念と日本企業の業績の“伸び”である。
米国経済とドル円については6月19日の本欄で述べたので、今回は日本企業の業績変化に外国人投資家がどのように反応しているのかに焦点を絞りたい。
筆者は「外国人投資家は日本の企業収益の“伸び”に反応する」と考えている。
2016年6月27日の本欄で「外国人投資家は企業業績が前年同期比でプラスに転じる16年10~12月期から再度日本株に注目する」と述べ、下値を買い外国人投資家の資金が流入するのを待つ戦術を提唱した。
実際、日本企業の業績は16年10~12月期からプラスに転換し、トランプ政権誕生の期待もあって日本株は16年後半に大きく上昇した。その過程で外国人投資家は日本株を大きく買い越した。
今回は16年6月27日に掲載したグラフを更新した(TOPIX500の構成銘柄変更などの技術的な理由で、前回掲載したものと過去の数字が同一でない)。