ソーシャルグラフを使った
バイラルマーケティングが強み

 携帯コンテンツ会社に勤務していたころにmixiの存在を知って衝撃を受けたという木村氏は2008年、ミクシィに入社。ゲーム部門の担当となりました。

 しかし、「mixi(SNS)→モンスト(ゲーム)」のどこが顧客ずらし戦略だというのでしょうか。

 木村氏は言います。

「基本的なぼくたちの強みは何かと言うと、ソーシャルグラフを使ったバイラル(=口コミ)マーケティングなんです」

 ソーシャルグラフとは、人と人を線で結んだ関係性のことを指します。その線を伝わっていく情報、つまり口コミをマーケティングに活用することが、mixiを通して培われた同社の最大のアセットなのです。

 ただし、一般論として、ソーシャルグラフを使ったバイラルマーケティングには難点があります。AさんとBさんが直接知り合いである場合、Aさんの発信する情報はBさんにとって信頼性の高いものですが、Bさんの知り合いである(Aさんの直接の知り合いではない)Cさんに伝わる段階で、その信頼性は著しく低下してしまうのです。

「自分自身(A)を起点に、直接つながっている人(B)を『第一世代』、その人がつながっている人(C)を『第二世代』と呼びます。たしかに、第二世代の人間関係になった時に急激に距離感ができる。ただ、Bを起点とすれば、Cも第一世代ですよね。つまり、情報の熱量を劣化させずに伝播することはできるはずなんです」