サブリース契約違反か?
「いずれはっきりする」と社長

 同社に対する訴訟はこれだけではない。実は先月29日にもオーナー29人による集団訴訟に見舞われている。

 訴状によれば、同社のサブリース契約には、賃貸借契約の他に「建物メンテナンス契約」があった。「屋根の塗り替えが築10年目」などといった国土交通省のガイドラインに沿った修繕目安を基に、同社がアパートの修繕を実施する。それに対し、オーナーが毎月一定額のメンテナンス費用及び前払い金を支払うというものだ。

 前田氏によれば、「目安表に従った修繕がほとんど実施されていない実態が明らかになった」という。29人分の費用総額は1億4743万円に達しており、これを不当利得とみなして返還請求する集団訴訟に発展した。この訴訟に対し、同社の宮尾氏は「当社では定期的に建物調査をしており、その記録もある。修繕が必要かどうかは、その都度きちんと判断している」と主張しており、両者の見解は真っ向から対立している。

 これらの訴訟に先駆けて、昨年11月にはオーナー129人が「家具・家電総合メンテナンスサービス契約」が守られていないとして集団訴訟を起こしていた。

 同社物件の売りは、入居時から家具・家電が備え付けられていることだ。その利便性を、テレビCMなどでも学生や単身赴任者に対して盛んに訴求している。そのサービス料が1戸当たり2000円、オーナーの家賃収入から天引きされているのに、一定期間が経過しても新品に交換されていないことを理由に4億8684万円の返還を求めたのだ。

9月4日の記者懇談会で事業の展望について説明するレオパレス21の深山英世社長 Photo by Kosuke Oneda

 こうした一連の訴訟に対し、同社の深山英世社長はどう答えるのか。同社は“開かれた会社“を目指し、今月4日に東京・帝国ホテルで初の試みとなる記者懇談会を開催したが、そこには社長自らの声を聴こうとメディアが詰めかけていた。

 訴訟のことを問われた深山社長は、「あまり余計なことを言うなと広報から言われるかもしれないが、1つだけ言いたいのは、修繕費に関してはあちら(オーナー)も経費で落としているということ。そういう契約をしていたわけだから、今さら言われても……まあ、いずれはっきりすることです」と歯切れが悪い。

 同社にとって、サブリース物件のオーナーは重要なパートナーだ。彼らからの集団訴訟が今後も相次げば、経営の屋台骨が揺らぎかねない。建築請負主体から脱却して黒字転換し経営は安定してきたが、不透明なサブリース契約の“火種”がくすぶり続けている。