足元で安倍政権の支持率はやや回復しているが、社会全体の雰囲気としては反安倍政権の機運が少しずつエネルギーをためているように思える。「反安倍政権の票」の受け皿として、話題性のある小池氏が代表の希望の党に支持が集まる可能性は軽視できない。

 ある政治評論家は、「安倍政権は議席数が減ることはある程度覚悟の上で、何とか政権維持を図りたいのだろう」と評していた。これは当たらずといえども遠からずであろう。

 一方、小池知事がリーダーになる希望の党の政策内容は、今のところまだはっきりしない。小池氏の国政レベルでの力量も不透明な点を考えると、政権運営に関しては自民党政権には一日の長があるだろう。また、小池氏が都知事と国政を兼ねることは無責任と考える専門家もいるようだ。

 ただ、昨年来の世界的な“ポピュリズム政治”の台頭を見ていると、7月の都議会選挙を境に、わが国でも“近視眼的な政治”を求める風潮が強くなりつつあるとも考えられる。今後の展開次第では、小池新党が“反安倍政権の受け皿”になることも考えられる。その場合には、小池新党はそれなりの存在感を示すことができるはずだ。

 小池新党の得票にもよるが、政治が不安定になることは経済にとって好ましいことではない。一般的に、政権の安定は経済の安定に直結する。近視眼的な政治が進むと、政権が短期間で入れ替わり、社会が混乱しかねない。そうした状況がわが国で出現すると、社会全体の閉塞感、不満、先行きへの悲観はさらに高まることも考えられる。

 有権者一人ひとりが流れに巻き込まれることなく、自らのこととして各政党の政策の内容を理解し、長い目線で社会がどう変化するかを考えることが重要だ。

選挙の争点の一つ
アベノミクスの評点

 安倍政権の経済政策=アベノミクスを評価すると、おそらく“60点程度”の採点が妥当だろう。アベノミクスは本来、「金融・財政・構造改革」という3本の矢であった。しかし、実際のアベノミクスは“金融政策一本足打法”と揶揄されるほど金融政策に依存してきた。