心のバリアを取り払え
文法はメチャクチャでも何とかなる

 さらにもうひとつ、これも大きなポイントになるというのが、心のバリアである。

「日本人はお行儀がいいので、こうしたほうがいい、と律儀に英語に向かうんですね。そのために、なかなか話ができない。でも、実はうまい英語をしゃべるかどうかなんて、どうでも良かったりするんですよ。実際、アメリカ人の英語って、文法的にはメチャクチャだったりするわけです。単語や時制もバラバラ。でも、考えてみれば、僕たち日本人が日本語を使うときもそうなんですよね。正確な文法を意識してしゃべっている人なんていないでしょう。それと同じです」

 重要なことは、自分の言っていることに意味があって、聞いてもらえる価値があるかどうか、と須原氏。それさえあれば、自信を持って発言すればいいのだ、と。

「危機感を持って毎日やれば、絶対にうまくなると思います。しょせんは語学なんですから。大したことをやっているわけではないんです」

 たとえ、「やらされている」という感覚だったとしても、毎日やっていればうまくなれる、と須原氏。英語を上達させようと願っている人には、心強い一言かもしれない。

 実は、しょせんは英語、語学はツールに過ぎない、という、まさに本質を突いた一言は、多くの外資系トップが語っていたことだった。次回第3回は、「必要なのは英語力ではなかった」というテーマで、トップの言葉をご紹介していく。

 


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