実際に銀行で勧められたのは
通貨選択型投信のブラジルレアルコース
この本を書くにあたり、私もいくつかの銀行にFPであることをあえて言わずに商品説明を受けに行ってみました(担当者の方、ごめんなさい!)。
ある銀行では、通貨選択型投信のブラジルレアルコースを勧められました。窓口で、その銀行で一番売れていること、分配金がたくさん出ていること、サッカーワールドカップやオリンピックを控えて好景気が期待できることを、お勧めの理由として説明されました。
人気、分配金の多さ、好景気。「何だか儲かりそう」と思えるキーワードが揃えば、販売担当者は勧めやすいし、売りやすいからでしょう。
しかし、本には詳しく書きましたが、この商品は仕組みが非常にわかりづらいもので、初心者は買ってはいけない商品だと私は思います。
売れているからといって、あなたに合った商品というわけではありません。
また売れている商品のほとんどは、「退職世代」が買っている商品です。「退職世代」は投資するお金も大きいため、その人たちが買うと人気上位に入るのです。それは「現役世代」には合わないことが多いですし、「退職世代」の人にとっても本当に必要な商品とは限りません。
つまり「売れている」商品は、いい商品だからではなく、金融機関が勧めやすいから人気が高いのです。
相手の事情、相手の立場を割り引いて話を聞く
ここまで読んで、「銀行がそういうところだとしたら、いったい誰を信じればいいの」とショックを受けたかもしれません。「じゃあ、どこに相談すればいいの」と、途方に暮れている人もいることでしょう。
自分が分からないことはその道のプロに相談したい、と思うのは自然なことです。しかし、その際、相談する「相手の立場」を想像してみるといいと思います。
銀行や証券会社が、自分たちの会社にとって利益があがる商品を売ろうとするのは当然のことです(それが仕事ですから)。
でも、繰り返し述べているように、金融機関が売りたい商品があなたにふさわしいとは限りません。金融機関はお金の専門家だから知識も豊富、大きな金融機関は信頼できる、と思い込まず、金融機関の売りたい事情、売り方の実態を理解し、上手に付き合う。失敗を防ぐためには絶対に必要な心構えです。
次回は、今どきの「金融機関」と賢く付き合うためのコツをご紹介します。
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