人並みになろうと思うな
収入先は複数持つべし

「覚悟を決めて独立しました。以前から中国旅行のタブロイド誌で翻訳をしたり漫画や文章を書いたり、住宅関連の雑誌で文章を書いたりしていました。また、中国語翻訳の仕事もしていたので、そこを柱にして興味のあることはどんどんやっていこうと。もともと様々な業種で働いていたのが、かえって良かったんですかね。何となくいろんな業界でお客様ができて。特に無理な努力はしていません。無理も努力も続かない性分ですから」

 ではもし特別なスキルはないとしても、これからたかぎさんのように自由に働きたい人がいるとしたら、何か言ってあげられることはあるだろうか? 

 「まずは『定期収入になるアルバイトを見つけておく』ことです。ポイントは正社員ではなく非正規社員です。できれば、週1回の仕事がいくつもあるといいですね。これなら同じことを繰り返すのが苦手な私にもできます。リスク分散にもなりますし。それで、定期収入以外の仕事は、興味のあるところにどんどんチャレンジです。『人並みに何でもしようと思わない』『他人と違っても大丈夫』。自尊心を失わないために、これが最も大切です」と目を輝かせながら、たかぎさんは言ってくれた。

「パートタイムの仕事を求める求職者は以前から多かった。以前はその『受け皿』となる企業が少なかったが、現在は増えてきている」と、桐生さんは語る。

 では、仕事を提供する側の企業は、そういった働き方をどう捉えているのだろうか?人材派遣会社のプロフェッショナル・ブレインバンクでHR事業部の事業部長を務める桐生大地さんに訊いてみた。

「週に3、4回といったフルタイムではない仕事や、1日4、5時間といったような時短の仕事はじわじわと増えてきています。理由の1つは国が推進している『働き方改革』の効果によるもの。もう1つは『有効求人倍率の変化』によるものです。数年前は働きたくても仕事がない状態。求人よりも求職者が多いので企業は選び放題でした。しかし、今は逆です。企業が求人を出しても求職者が来ない。そこで『週に数日でも時短でもいいからうちで働いてほしい』という状態になっています。

 弊社の登録スタッフでも、フリーランスのクリエイターの方が、弊社の紹介で週3回は外資系の製薬会社でマーケティングの仕事をしていたり、放送作家の方が、弊社の紹介で月に数回システム関連の仕事をしていたりと様々です。また、求人を出してもフルタイムの仕事よりもパートタイムの仕事のほうが人気があり、多数の応募があります」