MLBでは新しめの球団
代表的スター選手はノーラン・ライアン

 MLBが誕生したのは1986年で、100年以上の歴史を持つ球団は16あるが、エンゼルスは最初の球団拡張が行われた1961年に創設された比較的新しい球団だ。所属するのはア・リーグ西地区。後発球団の宿命で、しばらくは低迷が続いた。初めて西地区優勝を勝ち取ったのは創設から19年目の1979年だ。以降は40年間で地区優勝9回。2002年にはワールドシリーズに初めて進出し、ジャイアンツを破ってワールドチャンピオンになった。常に優勝争いをする強豪ではないが、たまに躍進してファンを喜ばせるというタイプ。チームを温かく見守るファン気質はそんなところから育まれたのだろう。

 とはいえ安定して強さを発揮した時期もある。ワールドチャンピオンになった翌々年の2004年から2009年までの6年間で、西地区優勝5回、ア・リーグ優勝決定シリーズにも2回進出している。また、2014年にはレギュラーシーズンで98勝64敗という圧倒的な強さを見せて西地区を制した。このシーズンに活躍した選手、投手ではマット・シューメーカー、ギャレット・リチャーズ、野手ではマイク・トラウト、アルバート・プホルス、コール・カルフーン、マーティン・マルドナードらが健在で、勢いに乗れば地区優勝以上を狙える力を持っている。そんなチームに大谷は加入したのだ。

 過去に在籍した選手で最大のスターといえるのはノーラン・ライアンだろう。メジャー通算最多奪三振記録5714個を持つ伝説的名投手だ。ライアンは25歳の時(1972年)、メッツからエンゼルスに移籍し、いきなり目覚ましい活躍を見せるようになった。1974年にはストレートが162キロを記録。「人類で初めて100マイルの壁を破った男」と称賛された。エンゼルスに在籍した8シーズンだけで138勝をあげ、7回奪三振王に輝いている。

 エンゼルスでプレーした選手には、ロッド・カルー、レジー・ジャクソン、ドン・サットン、デーブ・ウィンフィールドら殿堂入りしたスターもいるが、いずれもエンゼルスには全盛期を過ぎた時期に加入している。その点、ライアンは25歳から32歳までの選手として最も脂ののった時期にエンゼルスにいたわけで、球団史に輝くスターなのだ。オールドファンは大谷に対して、ライアンに匹敵する活躍を期待しているのではないだろうか。