水道民営化のの実施のためには、基本的には、公共施設などの整備に民間の資金や経営ノウハウを活用できるようにしたPFI(Private Finance Initiative)法と水道法の二つの法律の改正が必要だ。

 前者のPFI法は、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」が正式名称で、1999年に成立したものだ。

 2011年5月に改正され、活用対象が社会インフラにも拡大され、また、国や自治体が施設の所有権を持ち続けたまま、その運営権を民間事業者に設定し「経営」を委託する「コンセッション方式」が導入された。

 後者の水道法改正は、この方式を水道事業でやれるようにしたり、市町村が広域連携で事業をできるようにしたりして、水道事業の効率化や基盤強化を目指すものだ。

 昨年3月に水道法改正の閣議決定がなされ、法案が先の通常国会に提出された。しかし同国会では、天皇陛下退位特例法やテロ等準備罪等の重要法案が多く、また「モリカケ」問題の審議に時間が取られたために、成立せず、継続審議になった。

 ところが秋の臨時国会では冒頭解散となったために、結局、水道法改正案は廃案になった。

 そこで、政府は、今度の通常国会で再度、水道法改正案を国会に提出するだろう。そのため、水道民営化が多方面から議論されているのだ。

仏など上下水道の約半分は
民間業者が運営

「民営化」と一口で言っても様々な形態がある。

 純粋な形の民営化は、公有公営を民有民営にすることだ。しかし、公有民営や公設民営も民営化という。

 公有民営とは資本を公的部門が保有し経営形態を会社化するもので特殊会社と呼ばれる形態だ。

 また、公設民営とは施設所有権を公的部門が持ち、運営権のみを民間に委ねる形態であり、コンセッションと呼ばれる。

 水道民営化は、水道等の公共施設の使用権を独占的な形で民間会社に譲渡するものである。

 欧米では、公共インフラを公的部門が所有しながら、運営権を民間事業者に譲渡するのは普通に行われている。例えば、フランスは上水道の6割、下水道の5割、スペインは上水道の5割、下水道の6割を民間が運営している。