2017年12月下旬に、ビットコイン価格が急落した。
以下では、この原因は、先物取引の導入にあったとの仮説を提示する。
先物売りが可能になったことによって、弱気見通しが市場に反映されるようになったのだ。
昨年12月下旬
過去最大の下げ幅を記録
ビットコインの現物価格は、2017年11月後半から上昇を続け、12月19日には1ビットコインあたりほぼ1万9000ドルになっていた(注)。
ところが、12月20日に急落した。12月23日には、一時1万2000ドルになった。約7000ドルという下落幅は、いうまでもなく、過去最大のものだ(図表1参照)。
なぜこのような急激な価格下落が起きたのか?
この期間にどこかの国が規制を強化したというようなことはない。
上記の期間に起こった重要な事件は、18日にシカゴ先物取引所(CME)がビットコインの先物取引を始めたことだ。
これが価格低下の原因になったとしか考えようがない。
◆図表1:ビットコインの価格推移(単位ドル)
(注)ここで「ビットコインの現物価格」とは、シカゴオプション取引所(CBOE)が参照するビットコイン価格指数GXBTを指す。