訪問したOBに、その後何をすればいいのか
OB訪問に来た学生で、最も差が出るのが、OB訪問の最中よりも、OB訪問して帰った後のフォローだ。君は何をするだろうか?
「昨日はどうもありがとうございました」
というメール一通、電話一本、ハガキ一枚あるかないかで、まったく違うのだ。もし自分に通す権利があるとしたら、連絡がない人より、連絡があった人を選びたくなるのが人情ではないだろうか。
電話とハガキ、手紙を比べると、ハガキや手紙のほうが、都合のいい時間に読めて、また印象にも残るからいい。面接は、しょせん人間のやることだから、「人情」の部分が最終的にはキーポイントになってくる。
たとえリクルーター制でない会社ででもだ。
案外こういうところがおろそかになっている志望者が多い。もし、何かちょっとでも参考になる話があったとしたら、わざわざ、なしのつぶてになっている人に連絡するだろうか。やっぱり、ハガキの一枚やメールでもあったほうに教えるものだ。このあたりで、人生は、大きな差がついてくるような気がする。
僕は君たちに、恩知らずな人間にだけはなってほしくない。
僕が面接官だったら、その後連絡があったかどうかで、合否の判定をする。その人間が、社会生活をすることができるかどうか、最も顕著に差がつくからだ。OB訪問の後、なしのつぶてのタイプにかぎって、OB訪問の依頼の電話をかけてくるときに、慇懃無礼な人が多い。
なかには、大手スーパーを受けた際に、記念品をもらったので、なんと会長にお礼の手紙を書いて大手スーパーに入社。入社式のときには新入社員総代を務めたという豪傑もいる。
そうかといって、礼儀正しいのはいいのだけれど、忙しいときに、電話でだらだらと話をされるのも迷惑ものだ。前置きがやたらと長い。OB訪問の依頼の電話は、忙しい相手を思いやって簡潔にするほうがいい。これは、依頼の電話にかぎらず、OB訪問の鉄則だ。
OBは忙しいビジネスマンなのだ。いや、学生だって忙しいというけど、ビジネスマンの忙しさと、学生の忙しさとはケタが違う。特に君たちが OB訪問するような、若い社員の場合、仕事をまだ覚えてなくて、時間の割り振りも自分でできないから、かなり忙しいはずだ。
訪問のお礼の手紙を忘れない。
本当の面接はそこから始まる
*第4回は、第6章「OB訪問で通る人 OB訪問で落ちる人」から一部を掲載しました。(第6章には、このほか、「OBが、君なら大丈夫だよと言ってくれたが、連絡がない場合は」「1社で270人のOBに会った豪傑に勝てるか」「OB訪問は見聞を広めるチャンスだ。入社後も必ず役に立つ」「仕事の内容について誰に聞けばよいのか―1年先輩のOBに聞かなければならない3つのポイント」「OB訪問で社風を見抜くには」の項目があります)
*連載の第5回(1/12)は、「練習で通る人 練習で落ちる人」をお届けします。