管理職比率を調べれば見えてくる!?
「上空の見通し」がいい業種、悪い業種
連載第5回は、前回に続いて、就活における志望業種の選択に必要な視点について考えてみたい。今回ポイントとなるのは、各業種に属する企業の管理職比率である。
就職先の選定において、出世できる可能性や程度を考慮することは、当たり前とはいかないまでも、あってもおかしくない話である。すでにポストが足りなくなっていたり、上が詰まっていたりする企業が敬遠されるのは、無理もない。
不況の昨今ではレアケースであるが、大量採用が行なわれた直後の企業を選ぶのも、出世を考えると厳しいものがあるだろう。
「世間に出回る就活人気ランキングに囚われない就活のすすめ」は、本連載の主旨の1つである。いや、最大の主旨と言ってもいい。
人気の有無は詰まるところ、知名度(マスメディアでの露出度)とイメージによるところが大きく、人気企業へ過度に希望が集中すると、就活生、大学職員、採用担当者の全てが疲弊してしまう。
であるならば、むしろ「人気ランキングには入っていないが実は優良(有望)」という企業を見つけ出し、そのなかから自分に合う企業を選ぶという就活行動が、合理的ではないだろうか。今回は、そういった企業が多く潜んでいそうな業種を、管理職比率から探ってみたい。
業種別の成長性を判断するための元となるデータは、これまでと同様、「ダイヤモンドD-VISIONシリーズデータベースサービス 役員・管理職情報ファイル」だ。
まず、業種別に役員と管理職の人数を見てみよう(※以下、役員と管理職をまとめて「管理職」とする)。全39業種について、管理職の人数と対象となる会社数、1社当たりの人数を表したのが、表1の「業種別役員・管理職人数」である。