どの会社であれ、大物の人事にまつわる話は蜜の味。製薬業界でトップ2社に関する人事が話題を集めている。
まずは国内製薬業界2位のアステラス製薬。社長CEOの交代が1月末に発表され、本誌(週刊ダイヤモンド1月13日号「人事天命」)既報など、大方の予想通り、安川健司副社長が4月1日付で就任することとなった。畑中好彦社長CEOは代表権のある会長となる。
畑中社長CEOは2011年6月からトップを務め、前任者の任期を既に1年余り超えていた。また大型製品の特許が切れて売り上げが一気に落ち込むパテントクリフが迫る中で18年度は新たな中期経営計画がスタートするタイミング。加えて畑中氏は16年から務める業界団体「製薬協」会長を今年で退任見込みだったことから、“節目感”は誰の目にも明らかだった。
とは言うものの、一時は長期政権説も出ていたので、注目が集まっていた。
次期社長の人物は順当。開発畑の安川氏は12年から経営戦略担当役員を務めた。昨年副社長に昇任し、後継者レースではっきりと抜きん出ていた。
「57歳という年齢がインパクトに欠ける」(あるアナリスト)などの声がないわけではなかった。しかしそこは、“業界の優等生”と評されるアステラス製薬。手堅いバトンタッチとなった。