中国人消費者は商品の価値と
価格を比べる「性価比」に敏感

 第40回のコラムで詳述したように、中国人が「性価比」に敏感だ。今回は、その特性を利用して、お客様の来店頻度を高めることに成功しているスターバックス(中国語名:星巴克)の事例を紹介しよう。

 1999年に中国大陸に進出して以来、中国の40以上の都市で500店舗以上を展開し、オシャレなカフェとして中国人の生活にも浸透しているスターバックス。グローバルスタンダードとして世界中のスターバックス店舗で統一された内装、商品メニュー、サービス等を中国でも提供すると同時に、中国人の消費者心理に合うように中国流にカスタマイズしたサービスもうまくミックスし、成功を収めている。

 ロイヤルカスタマーの来店頻度を上げるために導入しているMSR(My Starbucks Reward)プログラムもその1つだ。MSRの会員になると、スターバックスを利用するたびにポイントが加算され、1年間に貯めたポイントの数により、様々な特典が受けられる(日本のスターバックスでは導入されていないため知らない方も多いかもしれないが、アメリカをはじめ、欧州、中国〈一部地域を除く〉でも導入されているプログラム)。

 MSRの会員になるとすぐに使えるウェルカムレベル、ポイントが5つ貯まるともらえるグリーンレベル特典、ポイントが30(地域によっては25)貯まると使えるゴールドレベル特典がある。