しかし、就活で最も重要なことは、落ちても落ち込まずに受け続けることだ。10通もお祈りメールが続けば、誰でも落ち込む。「就活を少しだけ休みたい」と思う学生も多い。しかしそれは、マラソンの途中で「5分だけ座りたい」というのと同じであり、一度休んだら二度と走れなくなってしまう。そうなれば、結果は悲惨だ。

「受かる」と思って受けるから、落ちた時に失望するのだ。「宝くじのようなものだから、50社受ければ1社くらい受かるだろう」と思って受ければ、10社落ちても落ち込むことはないはずだ。

自慢は悪いことではない
やり過ぎくらいでちょうどいい

 日本人は、「自慢は悪いことだ」と教わって育つ。「雄弁は銀、沈黙は金」という言葉もあるくらいで、口数は少ない方がいい、黙っていても分かる人は分かってくれると言われて育っている。

 しかし、就活の時期だけは、それは全部忘れよう。履歴書に「何の取り柄もない私ですが、採用してください」と書けば、絶対に不合格になるからだ。

 そのために、就活前の準備として、まずは思いつく自慢を全部書き出してみよう。それを思い切り自慢げに文章にするのだ。やり過ぎくらいでちょうどいい。その文章を複数の良識ある大人に見てもらおう。「さすがにやり過ぎだから少し削れ」と言われたら削ればいいだけの話だ。

 相談される大人の立場に立ってみれば、自慢しすぎた文章を削るのは簡単だ。だが、「特に長所はありません」と書かれた文章を見せられても、アドバイスのしようがない。