鄭国家安保室長は元々職業外交官だったが、国際機関や経済畑の勤務が長く、米韓同盟の専門家ではない。

 国家安保室には韓国外交省から出向した外交官たちが大勢詰めているが、実はまったく機能していない。外交省との連携が取れていないからだ。

 南北関係が活発になった1月以降、国家安保室メンバーは文在寅氏の外交ブレーンや政治家と連れだってワシントンを訪れているが、米政府当局者らと面会した彼らの決まり文句は「訪問の事実を外交省には伝えないでほしい」だ。

 国家安保室は、外交省と連携して動いているのではなく、文大統領につながる政治的な思惑を持った勢力を支える「部下」として活動していることを、自ら告白した格好になっている。

 文政権になって青瓦台(大統領府)が外交官を憎むのは、同じ進歩(革新)系政権だった盧武鉉政権当時に外相で起用した潘基文、宋旻淳の二人が、昨年5月の大統領選を巡って文在寅に不利な動きをしたからだとされる。

 対立を裏づけるように韓国外交省では最近、対米・対日外交などを担ったエリート外交官たちが主要ポストから次々外されている。

 また、韓国政府にはもう一つ、軍事チャンネルという米国と韓国を結ぶ貴重なラインがある。米韓同盟が正常に機能していれば、米韓関係をある程度補うことができる。

 だが、上記の「5人組」のなかに、宋永武国防相は含まれていない。

 宋国防相は、軍事チャンネルが機能にくくなっている状況に大いに焦り、このことが1月26日のハワイでの米韓国防相会談が実現する大きなきっかけの一つになった。

 当然、文在寅政権「5人組」の視界には、米国を始めとする国際社会の動きは見えていない。それが、様々な「制裁破り」という形になって現れた。

「米朝対話」実現を焦って米韓に溝
結局、北を利しただけに終わる

 五輪をめぐっても、米国とのぎくしゃくが続いた。