日本では2016年9月に、量的緩和から長期金利の誘導目標を「0%程度」とする、「イールドカーブコントロール(長短金利操作)」という金利管理に移行した(図表2)。

 量と金利の関係は、コインの裏表の関係なので、上手くやればスムーズに移行するはずだった。しかし、実際には、10年金利は実勢のマイナス0.2%から0%へと引き上げられた。これは、ちょっとした逆噴射になった。この政策のこれからに注目したいと思っている。

適切なGDPギャップは「プラス2%」
まだ需要追加策が必要

 話は戻るが、インフレ率と失業率がどう動くかは、実は、GDPギャップの数字がポイントだ(図表3図表4参照)。

 ここでのGDPギャップは、内閣府が計算した数字を出している。具体的な算出は、現実のGDPと、完全雇用で供給能力がフルに使われた場合の潜在GDPの差額を潜在GDPで割ることによって求められる。

 (現実のGDP-潜在GDP)/潜在GDP

 政策効果としては、積極的な財政政策をすると、公的部門の有効需要が高まるので、GDPギャップは増える。また、金融緩和すると、実質金利が下がり、設備投資などの民間部門の有効需要が高まり、やはりGDPギャップは増える。