どこまでもフラットで全員で攻守
「全員乗組員」と「トータルフットボール」
篠田:『だから、僕らはこの働き方を選んだ』の中で、目指しているのは「トータルフットボール」だというくだりがありますよね。
林:東京R不動産は、それぞれの個性を持ったメンバーが持ち味を活かしてプレーするわけですが、組織として一人のスターを立てたり、個々の役割や配置を監督が指揮する感じではありません。それぞれのプレーヤーは、バラバラに動いているようでいて、必要なときには助け合い、連携する。それぞれのプレーヤーがチームの勝利を目指すために協力し合えば、みんながうれしい。みんなが頑張ればみんなが得するということです。
篠田:ああ、わかりますね。ほぼ日では、会社を船にたとえ、「板子一枚下は地獄」と言っています。つまり船底の下は大海原で、港を出てからは波任せ風任せで人の力がおよばないこともある。底板が割れたらおしまい。自分たちはその船に乗る、運命共同体。個々に得意分野やできるできないの違いはあれど、それぞれが役割を持って、人によってはいいヤツだからいてくれるだけでいいんだよ、ということも含めて、船の乗組員であると考えています。
つまり、働く人たちはみんなフラットなところにいて、船頭はトップにいるのではなく、いちばん前にいる。フラットな組織だといっても、みんながそれぞれ得意分野を生かしながら助け合っています。
吉里:僕らでいうと、全員で攻め、全員で守る、ということですね。それがまさにトータルフットボールです。個々のプレーヤーは、自由に動き回りながらその場の判断をし、あたかもチーム自体が一つの生き物のように流動的に形を変える。
メンバーの中に皇帝がいたり、監督がうるさく威張り散らすのではなく、豊富な運動量と卓越した技術、全体を俯瞰できる広い視野を持った個々のプレーヤーが活躍する。そういう組織のフリーエージェント・スタイルを目指しています。(第2回に続く)
※この連載は2/13~2/17まで5日連続で更新していきます。
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「これからの組織の本質が、ここにはある。 個人が活き活きと自律的に働くこと。事業はそれに尽きる。 自由でフェアなチームは、清々しく、美しい。」
――江副浩正 氏(株式会社リクルート創業者/特例財団法人江副育英会理事長)
――本田直之 氏(レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長)
――小山薫堂 氏(放送作家/脚本家)
――柳澤大輔 氏(面白法人カヤック代表)
――遠山正道 氏 株式会社スマイルズ(Soup Stock Tokyo)代表取締役社長
――西村佳哲 氏 リビングワールド代表/働き方研究家
――小暮真久 氏 TABLE FOR TWO 代表理事/『「20円」で世界をつなぐ仕事』著者