小室 自分の代になったら変えてやる、という思いはお持ちだったんですか?

鈴木 ところが、自分が部長になってしまうと、みんな夜中の1時、2時まで仕事をしているのを見ても、別に悪いとは思わなくなる。「色々仕事あるんだろうし」くらいの感覚なんです。さすがに朝早く出社させるのは気の毒だから、「朝はゆっくり来てもいいよ」とは言っていましたが。

小室 なるほど。残業しても成果を出してくれればいいかな、と管理職は思うわけですね。部下が早く帰ったら不安になる。

鈴木 中間管理職はみんなそう思ってるわけですよ。でも、社長になるとまた違う考えになる。こんなに残業させていたら、会社が持たなくなるんじゃないかと焦るんです。

「19時前退社」
を徹底させたきっかけ

小室 そこで「19時前退社」に踏み切られたわけですが、始められたのは何年でしょうか?

鈴木 2007年のことです。

小室 先進的な意思決定でしたよね?

鈴木 もともと長時間労働が無駄だなと思っていたちょうどそのころ、女性がどんどん戦力になってきたので、結婚や出産を機に会社を辞めてもらっては困ると思ったんです。

小室 家庭と仕事を両立してもらうには、長時間労働をやめるのが先決だ、と。

鈴木 夜遅くまで会社にいても、昼寝する時間と夜ご飯を食べに行く時間を考えたら2時間は仕事になっていない時間がある。だから仮に19時退社にしても、21時まで残業しているのと同じ成果が出ると考えました。絶対に19時前退社しなくてはならないとわかっていれば、昼寝したり夜ご飯を食べに行こうと思ったりしない。

小室 時間内に仕事を終わらせなければ、と必死になりますよね。

鈴木 そう。そして当初は女性活躍が念頭にありましたが、結局は男性のためにもなるとの確信がありました。

小室 効率的に仕事を終えられれば、結果として仕事以外の情報もインプット出来るし、しっかり寝て日中の集中力も高まりますよね。