30歳までは「新卒」扱い
岩瀬:昔はみんな一緒に卒業して、みんな一緒に就職していった。でも今は留学する人もいるし、インターンする人もいる。別のことをやっている人もいますね。そういう意味で、確かに新卒と既卒を区切る意味は薄れています。ライフネット生命も、30歳未満の方であれば、就業経験の有無を問わず門戸を開いています。
小林:それって、いいことのような気がします。キャリアが多様化することで、みんないろんなことにチャレンジしやすくなると思います。
岩瀬:もし「ちょっとこの仕事合わないな」と思っても、それまでの経験は無駄にならないでしょう。僕も転職や社会人留学を経験しているし、今後のキャリアに活かしていくようにすれば、チャンスは何度でもあると思っています。そういえば、アナウンサーでMBAを取得している方もいますよね。小林さんがアナウンサーを続けながら留学してみるのも面白いと思いますよ。
小林:そうなのですね。選択肢が広がった一方で、悩む人も増えているように感じます。僕の周りでも、起業か就職かと考える友人がいましたが、岩瀬さんは学生時代から起業を考えることについてどう思われますか?
岩瀬:ストレートに言ってしまうと、起業しようか、就職しようか、と悩んでいる起業家はいないと思います。起業したい人は事業を始めたくてしょうがないから、学生のうちから準備をしている。悩んでいるなら、まずは就職すればいいと思います。僕もそうでしたが、僕の周りにも就職してから起業した人はたくさんいます。
将来起業したいという人でも、就職の経験が無駄になることはありません。就職すれば、組織がどうやって動いているのかを知ることができるし、ベンチャー企業なら創業社長を近くで見て学ぶこともできます。もちろん、外で出会った人から学ぶこともたくさんあります。
小林:そういうトップの人やチャレンジしている人に出会うにはどうすればよいですか?
岩瀬:仕事に全力投球しつつ、積極的にいろいろなことに挑戦することだと思います。学生なら、起業家の集まる「G1カレッジ」のような場所に顔を出すとか。やり方はいろいろあると思いますが、待っているのではなく、自分から発信していろいろな形でいろいろな人と触れ合うことが大事だと思います。チャンスがチャンスを呼ぶということもあるので。※留学経験者同士、話の弾んだお2人。次回は岩瀬さんが、「今どきのワカモンに嫌われないおじさん」について、こっそり聞き出します。お楽しみに。(2018年3月14日更新予定)