「仕事って……」「会社って……」「キャリアって……」入社直前の今だから聞いておきたいことを、この春から新社会人の小林廣輝さんが、『入社1年目の教科書』著者であり、外資系勤務、その後転職、20代後半で社会人MBA留学、30代で起業と、豊富な経験を持つ岩瀬大輔さんに質問をぶつけていきます。(構成/香川誠 撮影/佐久間ナオヒト)
ツールが変わっても、本質は100年後も変わらない
小林廣輝(以下小林):僕から岩瀬さんにお聞きしたいことがあって、今日はいくつか質問を用意してきました。岩瀬さんの『入社1年目の教科書』が出版されてから7年近く経ちますが、本の中で大切だと述べられていることは今も変わりませんか?
岩瀬大輔(以下岩瀬):ここに書かれている、あいさつをする、信頼される人間になるといったことは本質的な話で、7年経っても変わりません。きっと100年前も100年後も変わらない、大事なことだと思います。外資系コンサルティングファーム出身の僕が書いたにもかかわらず、大企業に勤めている人や公務員の方たちにも読んでいただいているし、日本人だけでなく翻訳されてアジアの人たちにも読まれている。そのことからも、古今東西、本質的なことは同じなのでは、と思っています。(※編集部注:『入社1年目の教科書』は、中国、台湾、韓国、タイ、ベトナム等で翻訳されている)ネットニュースをどう見るかとか、LINEで遅刻の連絡をしていいのかとか、そういうテクニカルな面での話はどんどん変わっていくのでしょうけど。
小林:ライフネット生命の新入社員の方たちも、『入社1年目の教科書』に書かれている50のことをすべて実践されているんですか?
岩瀬:みんな、実践してくれています。でも、継続することが簡単ではないんですよね。上司に質問をする時はメモを準備してそれを見せながらするとか、頼まれなくても議事録を取るとか、一つひとつは大したことがないけれど、それを全部続けるというのは案外難しいものかもしれません。さきほど小林さんも言っていたように、一つひとつを習慣化していくことが大事だけども、それができる人はなかなかいないですね。
小林:では、岩瀬さんはどのように習慣化したのですか?