人気ブログ「金融日記」を執筆する藤沢数希氏がホストとなり、ビジネス界の注目パーソンと対談を繰り広げる新連載「藤沢数希の金融対談日記」がスタートする。1人目のゲストは、かつてライブドアで取締役を務めた熊谷史人氏。2006年、ライブドアへの感情的なバッシングが吹き荒れるなか、有価証券報告書の虚偽記載の容疑で逮捕された人物だ。
ライブドアと同じく上場廃止も噂されたオリンパスは、真相の解明がなされる前に、早々に上場維持が決定された。一方で、16日に前会長を含む7人が逮捕されるなどの急展開も見せている。いま、熊谷氏はオリンパス事件をどう考えるのか。藤沢氏とのリラックスした会話の中で、率直な気持ちを明かしてくれた。

28歳、史上最年少で東京地検特捜部に逮捕されました

藤沢  今日は、あのライブドアで、27歳で取締役に抜擢され、プロ野球新規参入、ニッポン放送買収やフジテレビとの和解交渉などで中心的な役割を担い、そして史上最年少で東京地検特捜部に逮捕されてしまった熊谷氏をお招きし、オリンパスの粉飾事件、粉飾決算をした経営者の刑事、民事の責任問題、東証の上場基準、そしてあの時、ライブドアがやりたかったことなど、いろいろと興味深いことをお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

熊谷史人(くまがい・ふみと) 2002年ライブドア入社。2004年12月、最年少でライブドア取締役就任。ライブドアの資本政策や金融・投資ビジネスで中心的な役割を果たす。2006年2月、有価証券報告書の虚偽記載容疑で東京地検特捜部に逮捕。2007年6月、懲役1年、執行猶予3年が確定。現在、幅広い業種の会社に対するコンサルティング事業を展開。ツイッター・アカウント: @kuma1977

熊谷  僕も藤沢さんのブログ「金融日記」は読んでいたので、こんな形でお会いできて大変うれしいです。ずっと、どんな人なんだろうと気になっていました(笑)。

藤沢  ありがとうございます。実は、僕の友人の株式アナリストが、2006年1月16日の東京地検特捜部の強制捜査の少し前に、ライブドア株のリサーチ・レポートを「強い買い推奨」で書いたんですよ。そして、投資家にライブドア株を自信満々でススメていました。それで、ご存知のように株価があーなってしまいましたから、彼はその後に社内のいろいろな人に責められて、会社を辞めてしまったんですよ。これが僕の身近なライブドア・ショックですね(笑)。当時、彼が、熊谷さんのことを大変面白い人だと言っていたので、僕もいつか熊谷さんにお会いしてみたいな、と思っていました。こうしてお会いできて大変光栄です。

熊谷  誰かな? いやー、いずれにしてもその方には申し訳ないことをしてしまいましたね(笑)。

藤沢  まあ、人生いろいろです。どこかできっとがんばっていると思いますよ。

熊谷  私も東京地検特捜部に逮捕された後もがんばっています(笑)。