また、下図のように自己信頼の3要素は、互いに影響を与え合いながら上がったり下がったりするものだということがわかっている。

 つまり、「未来への希望」の低下は必ず他の2要素にも影響を与え、自己信頼全体の低下につながることになるだろう。現在と将来の自己に対して信頼も希望ももてないミドルが増えて、組織に良いことは一つもない。

自己欺瞞が「未来への挑戦志向」
を減退させている

 バブル世代ミドルがよく指摘される課題と「未来への希望」の急落は、どのように結びつけられるのだろうか。

 まず「自己中心的」と「下の世代を育てない」についてだ。未来に希望が持てないことは、「今を生きるのに精一杯」という感情に容易に結びつくだろう。自分のことで精一杯なのに、後輩の育成にまで気を回していられない。そう考えるミドルは少なからず存在するのではないだろうか。個人業績に焦点を当てる成果主義の浸透や、同世代が多いなか組織のフラット化が進み、「部下なしミドル」が増えていることも、この傾向を助長していると考えられる。

「過去の成功にこだわり、行動を変えられない」についてはどうだろうか。先にも述べたように「未来への希望」の質問には「未知への挑戦志向」を問うものが含まれており、未来への希望の低下は、未知への挑戦志向の低下と読み替えることができる。バブル世代ミドルは自己欺瞞で過去の成功にこだわり、未来に挑戦する姿勢を忘れてしまっているとは、言えないだろうか。

 次回はワークス誌110号「ミドルの自己信頼が会社を救う」の取材を踏まえ、ミドルの「自己信頼」、とりわけ「未来への希望」を取り戻すため企業が取り組むべき3つのポイントを紹介していく。