「報告」が挙げた政策は
より次元の高い経済を作ること

 李克強が発表した「報告」には、昨年の実績と今年の目標のほかに、過去5年間の政府活動の回顧も書かれており、字数1万9000字ほどと短いものだった。

「報告」の起草に当たった、国務院研究室の黄守宏主任は中国メディアの取材に対し、「今年の報告は過去5年間の仕事を振り返らなければならないし、次期政府のスタートの年の仕事に関する提案も書かなければならないのだが、李が『文風(文書のスタイル)』を転換し、2万字を超えてはならないと明確に求めたので、起草の難度が高かった」と答えている(『新京報』2018年3月6日)。

 中国の党と政府の報告は全体的に長く、専門知識がないとなかなか理解できないので、一般大衆にとって馴染みの薄いものだったが、政府の取り組みを人々に分かってもらおうという中国政府の姿勢が、報告のスタイルの転換から見て取れる。

 それではまず、「報告」で述べられている今年の主な取り組みを見てみよう。

(1)供給側構造改革を踏み込んで推進する
(2)革新型国家の建設を加速させる
(3)ベースとなりカギとなる分野の改革を深化させる
(4)「的確な貧困脱却」「重大なリスクの防止・解消」「汚染対策」といった三大堅塁攻略戦を戦い抜く
(5)農村振興戦略を大いに実施する
(6)地域間の調和発展戦略を着実に推し進める
(7)消費の積極的拡大と、有効投資の促進をはかる
(8)全面的開放の新たな形態が生まれるようにする
(9)民生の保障と改善のレベルを引き上げる

 ここに挙げられている取り組みは、第19回党大会で打ち出された「現代化経済体系の構築」という目標を反映している。それは、発展の質・効率を高めるべく、供給側構造改革を軸として、これまでとは次元の違う新しい経済を作っていくというものだ。「報告」で挙げられている「革新型国家の建設」や「農村振興戦略」「地域間の調和発展戦略」「全面的開放」はその一環だ。