趙氏によれば、ほとんどの中国系居酒屋は“キャッチ依存”の体質に陥っているという。

中国人が経営する「和風居酒屋」が増殖中、その儲けのカラクリとは中国人が経営していた和風居酒屋

「歌舞伎町でいえば、現在、中国人が経営する和風居酒屋は50店舗以上あると言われている。そのうち9割の店がキャッチを使っていて、売り上げの7〜8割をキャッチが連れてきた客が占めている。つまり、キャッチがいなければ客はほとんどいないという状態。例えば月の売り上げが1000万円の店なら、700万〜800万円がキャッチが連れてきた客からの売り上げということになる。ここから10〜15パーセントを彼らにバックするわけだから、店側は大変なんだよ」(同)

 キャッチにかかる経費をどこで埋め合わせするかと言えば、材料費や人件費の削減と、客から取る「サービス料」という名目の不可解な追加料金などである。

「歌舞伎町では、お通し代として500円程度、さらにサービス料として15パーセント取るのが普通だよね。これに消費税8パーセントがかかるわけだから、お客さんはかわいそうだよ。でも、売り上げの大半をキャッチに頼っている店は、こうでもしないとやっていけないんだ。しかも、料理は冷凍食品をチン、生ビールは発泡酒を出すのが基本。俺は、こうした客をカネとしか見てないやり方が嫌で、キャッチを全廃したんだ」(同)

 味にこだわった結果、常連客もついて売り上げも安定した。中国系居酒屋の中では数少ない“優良店”と言っていいだろう。

 そんな趙氏も、かつては“歌舞伎町最悪”と言われた中国系居酒屋チェーンで社員として勤務した経験を持つ。経営者の名前をそのまま店名としたそのチェーンこそ、中国人独自の「キャッチ居酒屋」商法の元祖であり、その源流をたどると「中国本番エステ」に行き着くのだ。

 次回は、悪質店の実態と、そのビジネスモデルに迫っていきたい。