マネーの師匠をみつけること

 そのほか、つまみ食い投資をやりつつ、投資についての知識を深めるには、マネーに関する本を読むのがお勧めです。

 たくさんの本がありますが、必要なのは2タイプ。ひとつは、「基礎知識をまとめた、図版などがたくさん載っているガイド本」。もうひとつは「著者の運用に関する考えが反映された、すらすら読める読み物的な本」です。ガイド本で基本をおさえ、読み物本で実践的な方法を勉強する、という使い方です。

 雑誌やネットの記事にも積極的に目をとおしましょう。

 そうした情報収集をしていく中で「この人の言っていることはすんなり分かるなあ」とか、「いつも気付きを与えてくれるなあ」という人が見つかれば、投資をするうえで大きな力になります。つまり、自分の中で勝手に「マネーの師匠」を見つけてしまうのです。

 実際にご本人に「師匠になってください」と頼むわけではないのですから、師匠は何人でも大丈夫。「金融商品はこの人」とか「マクロ経済的の話ならこの人」、「株だったらこの人」など、一人に偏らず、複数の人を継続的に追いかけてみてください。しばらく続けると、見違えるほどお金のことや経済のことがわかってくるはずです。

結婚生活と同じ! 投資は
ほったらかしにせず上手に付き合う

 こういったことをみなさんにお伝えするのは、投資を特別なものとして切り取らずに、暮らしのなかに上手に取り入れて楽しんでほしいから。

 住宅ローン選びや保険の見直しは、一度しっかり取り組むと10年くらいはほったらかしにできるのですが、投資ははじめたときがスタート、ほったらかしにしていいことはありません。

 だからといって、価格変動にドキドキする日々を送るのはイヤなものです。投資を楽しむ秘訣は、新聞やニュースで株価をチェックする、経済ニュースに関心を払うなどちょっとした習慣を日常の暮らしに加えて、心に波風を立てずに、そこそこ上手につきあっていくことだと思っています。そう、結婚生活を長続きさせるコツに似ています。

 投資は自転車と同じ。乗りこなすコツさえわかれば、目的地(目標額)にたどり着くのは徒歩よりも早いですし、行動範囲も広がります。しかし、投資も自転車も練習ナシですぐに乗りこなすのは難しいものです。私のこの本が、投資の練習を手助けできるなら、著者としてこんな嬉しいことはありません。

 


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