(3)深い非集中は「社会的関係」の回路も活性化させる。
だからこそ、リーダーシップ開発のコーチは自分自身になりきることがリーダーに欠かせない資質だとアドバイスするし、ボイストレーナーは自分自身の声を見つけるようアドバイスする。そして、一流の教育者は自分自身の個性を見つけ出すよう勧める。自己との深いつながりは、今という瞬間やあなた自身よりもはるかに広い物事と脳を結びつけるのだ。
(4)過去、現在、未来を統合する。
脳内では、過去、現在、未来が同時に進行している。過去は記憶として格納されているし、現在は五感を通じて体験される。そして未来は計画や想像として表現される。DMNはそのすべてをまとめ、今まさに展開しているストーリーを理解させてくれる。あなたの人生の時系列上にある点どうしを結ぶわけだ。
(5)創造性を発揮するのに役立つ。
非集中回路は脳の幅広い領域を結びつけるので、ユニークな連想や独創性を養うのに役立つ。おかげで、自由な発想ができるようにもなる。
(6)漠然とした記憶を掘り起こす。
DMNは集中の外側にあるさまざまな記憶を統合する役割も果たす。ベテランシェフが言葉で表現できない味を出せるのはなぜなのか?一字一句レシピに従うだけでは出せない何かがそこにあるからだ。幼いころにおばあちゃんが料理する様子を見ていて、本には書いていない何かを学んだのかもしれないし、トマトソースを混ぜるリズムや料理の上にチーズをまぶす指の動きにコツが隠されているのかもしれない。こうした感情や記憶を掘り起こせるのがDMNなのだ。