福井弁護士 これが「通知・削除」(ノーティス・アンド・テイクダウン)といわれる手続きで、DMCAの代名詞のようになっていますね。

――DMCAに基づく通知・削除申請はどういった制度ですか。

福井弁護士 具体的な流れとしては、まず侵害コンテンツを発見した権利者はプラットフォームに削除要請を送ります。たいていのプラットフォームにはこうした通知を送る専用のアドレス(参考:グーグル「Googleからコンテンツを削除する」)があるので、そう難しいことではありません。権利者からの通知を受けて、プラットフォームがすぐにコンテンツを削除すれば、それまでの掲載について侵害責任を負わなくてよい、というルールになっています。ただし、あくまで通知ではじめて侵害を知ったという場合の話で、そもそも侵害だと知っていた場合などは免責されません。

 投稿者は、削除されたコンテンツが著作権侵害ではないと思うなら「異議申し立て」が可能です。他人の作品を使っていても、適法な引用だと思う場合などがそうですね。削除要請と同様、かなり簡単に手続きができます。するとプラットフォームは掲載を復活させて、後は当事者間の訴訟などに委ねることができます。他方、異議申し立てが来なければ、削除されたままです。

 これがDMCAによるプラットフォーム免責のラフな仕組みです。

――DMCAはどのように利用されているのでしょうか。

福井弁護士 DMCAに基づく申請は非常に幅広く利用されています。動画投稿サイトで「この動画は権利者の申請により削除されました」といった表示をよく見かけますが、あれがそうです。人気のテレビアニメだと無許可の録画が大量にアップロードされるので、YouTubeなどはコンテンツの権利を持つ企業側が発見・削除申請をしやすいように、事前登録型の自動処理プログラムを提供していますね。