青井 頭がぼうっとしてあまり考えられなくなり、とっさに反応できなかったり、なんとなく茫然と立ち尽くしてしまったりする。そういうタイミングで血糖値を急激に高めないドライフルーツやナッツ類を補給するといいんです。こうしたことを社員皆で学んで、実践していくことを広げるプロジェクトです。

小室 それは面白い! なぜ他社でやっていないのかが不思議なくらいです。海外では、特にエリート層の人たちが、日中の8時間をいかにマックスの集中力で仕事をするかを追求していますよね。

青井 欧米で言うと、P&Gなどに「コーポレートアスリート」というプログラムがあります。アスリートのように心身を万全の状態に整えて仕事に挑むという考え方です。弊社の産業医の先生が、日本でもコーポレートアスリートができないかと考え、勉強会を行っていたというお話を聞き、それならぜひうちでやってみましょうとお願いしました。最初は役員などトップ層からスタートして、今、マネジメント層に広めていくフェーズに入っています。

小室 社員が手を挙げてプロジェクトが進んでいる、自発的な風土が醸成されていることが、本当に素晴らしいですね。

「日本で最も残業が少ない会社」を
どうやって実現できたか?

「残業が大嫌いになった」丸井グループの社長は働き方をどう変えたのか

小室 2008年には有志が集まって「働くプロジェクト(ハタプロ)」をスタートしていますよね。2008年に残業削減に着手したのは、とても先駆的ではないかと思います。私が起業したのは2006年なのですが、その頃は「ワーク・ライフバランス」という社名を言うと、「ああ、女性の育児支援の会社ね」と言われていました。女性の話ではなくて、男性も含めて全社員の労働時間を改善する必要性を、まだ日本企業のほとんどが感じていなかった頃だと思います。そして、現在、社員の平均残業時間はどれくらいになったのですか?

青井 2016年には年間44時間まで減りました。

小室 年間!?

青井 年間です。月間とよく間違われるんですけれども……。なので、「日本で最も残業が少ない会社」と言われているんです。