両陣営に群がってきた「武器商人」
熊谷 外資系投資銀行が、ハゲタカではなく、武器商人として降臨してきたのです(笑)。武器商人たちは和解を望みません。戦火の拡大と長期化を切に願い、大小様々な金融商品という武器をここぞとばかりに売りさばこうと、ライブドア、フジテレビの両陣営に群がってきたのです。特に米系の投資銀行は凄まじかったですよ。だから、和解交渉の場では「武器商人達の動きはどうですか?」なんて談笑していました。
藤沢 まあ、弁護士も投資銀行家も他人のケンカで飯を食ってる的なところはありますよね。金持ち同士の大げんかほど儲かるときはないし、ここでメンツの問題に関わってくるとさらにどかんと大儲けです(苦笑)。
熊谷 あと、よく色々な方に聞かれるのは、ライブドアの強制捜査の直接的な引き金ですよね。いま、冷静に振り返ると、私が日本の支配階層だったとしたら同じようにライブドアを捕まえていましたね(笑)。大きくなる前に潰しておかないと怖いですもん。堀江さんは若いし、世間に人気もあるし、選挙に出ようとするし、プロパガンダ装置のメディアを買収しようともする。しかも金がある上、戦後の日本が築きあげてきた社会システムを全く尊重しようとしない。
堀江さん自身は「世の支配」に対して全く興味がなかったけれども、支配階層からすると、堀江さんやライブドアは世を支配する武器を全部持とうとしているように映ったのだと思います。そう思った支配階層の人間がたくさんいて、自然とライブドアと堀江さんを潰せ、という空気が作られてしまいました。
藤沢 やはり、虎の尾を踏んでしまったのかもしれませんね。
熊谷 ところで、今度、長野の刑務所にホリエモンに会いに行ってきますよ。
藤沢 えっ、会えるんですか? そりゃ面白いですね。今度は、ホリエモンと対談したいな(笑)。
(終わり)
※この対談は全4回の連載です。 【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】
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