株価パフォーマンスでも「プライム同族企業」(上場企業の中で創業年が古い100社に入っている同族企業40社)のパフォーマンスがTOPIX(東証株価指数)を大幅に上回った。

 そんな同族企業大国に転機が訪れている。同族企業の「非創業家化」が進んでいるのだ。

 2014年に社長が交代した上場企業173社を調べたところ、「親族から非親族」への交代人事が45件(26.0%)で全体の4分の1超を占め、「親族から親族」の41件(23.7%)を上回ったのだ。

 過渡期故の混乱か、同族企業の「お家騒動」にも変化が起きている。かつては創業家内の争いが定番だったが、最近は「創業家vs非創業家の経営陣」の対立構図が増えているのだ。

 表を見てもらいたい。赤福、大塚家具の創業家内対立はいずれも14年に問題が表面化。これに対して、創業家と非創業家の経営陣の対立はいずれも15年以降に起こっているのだ。

外国人投資家が評価する
3人の大物オーナー社長

 そもそも親族から非親族への社長交代が増えている背景には、経営の高度化がある。

 同族企業との付き合いが深いコンサルティング会社の首脳は、「一昔前なら温室育ちの創業家の後継者であっても、ある程度経験を積めば対応できたけれど、グローバル化に加えて、テクノロジーへの対応まで求められるようになり、もうお手上げという創業家が増えてきた」と指摘する。

 創業家から社長を出しても、経営に求められる能力が高度化したことで対応が難しい。送り出すのをやめたらやめたで、非創業家の経営陣との間にあつれきが生じかねず、「前門の虎、後門の狼」状態だ。

 そんな状況にあって、際立つ存在感を発揮しているのが、創業オーナー社長だ。

 オーナー社長か否か──。数百兆円を運用する米系の資産運用会社幹部は、日本株投資で重視する点について、そう断言した。実際、日経平均株価に大きな影響を与える外国人投資家の多くがオーナー社長を高く評価しているというのは、市場関係者の共通認識だ。

 具体的には、1兆円単位の投資を大胆に決めるソフトバンクグループの孫正義社長、自己資金まで注ぎ込んでM&Aを仕掛ける日本電産の永守重信会長兼社長、そして後継者問題を抱えながらもグローバル経営を進めるファーストリテイリングの柳井正会長兼社長ら創業オーナー社長が該当する。