実物通貨と仮想通貨、日常と非日常、ヒトとAIの境界線がどんどんなくなりつつある今、私たちはどうやって生きていけばいいのか?
構想・執筆に2年。「愛」がテーマという注目のエンターテイメント小説『マルチナ、永遠のAI。』が話題を呼んでいる。ビットコイン、ブロックチェーン、ディープラーニング……正確な技術論と、その道の世界的権威の見解をもとに緻密に描いた作品で、SFではない、小説風の解説書という。
『エフエムふくやま』でも、「ページをめくる手が止まらなかった」と紹介され、映像化したいというオファーが舞い込んできたという大村氏の特別寄稿をお送りする。
(構成・寺田庸二)

ライトニングネットワークは
仮想通貨の救世主になれるのか?

 前回、第28回連載では、ブロックサイズが1MBのビットコインは処理速度が遅いことや、そのビットコインが分岐(フォーク)してブロックサイズが8MBのビットコインキャッシュが誕生した話や、ブロックに入れるデータサイズを小さくする「Segwit2x」と呼ばれる技術はあっても、ほとんどの取引所が対応していない現状を挙げました。

 そんな中で、早ければ2018年中にビットコインに実装されるのではないかと言われている最終兵器が「ライトニングネットワーク」という技術です。

 これは、あまり深く踏み込むととても難解になってしまいますので、本稿では要点だけを解説します。

 そこで、まずは次の図をご覧ください。

 ブロックチェーンというのは、この図のようにすべてのブロックがチェーン状に連なっています。

 一方で、「ライトニングネットワーク」とは、次の図のように、必要なデータを外部ネットワークに接続して記録し、トランザクション処理(取引履歴の記録)がブロック生成時間の影響を受けるというブロックチェーン最大のデメリットを解決しようというものです 。