実物通貨と仮想通貨、日常と非日常、ヒトとAIの境界線がどんどんなくなりつつある今、私たちはどうやって生きていけばいいのか?
構想・執筆に2年。「愛」がテーマという注目のエンターテイメント小説『マルチナ、永遠のAI。』が話題を呼んでいる。ビットコイン、ブロックチェーン、ディープラーニング……正確な技術論と、その道の世界的権威の見解をもとに緻密に描いた作品で、SFではない、小説風の解説書という。
『エフエムふくやま』でも、「ページをめくる手が止まらなかった」と紹介された大村氏の特別寄稿をお送りする。
(構成・寺田庸二)

仮想通貨「報酬」を
獲得する3つの方法

 前回、第25回連載では、ビットコインは「総当たり方式」「早い者勝ち」の「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)である」という話をしました。

 そして、この方式ではマイナー(採掘者)は、「我先に」とより多くのコンピュータでより多くの計算をしようとするために、莫大な電気が消費され、環境保護の観点から問題視されている向きもあるということにも触れました。

 しかし、仮想通貨は日々、新しいものが生まれては不要なものが消えているので、もはや正確な数など誰にもわかりませんが、1000種類以上あるのは確実です。

 そして、ビットコイン以外の仮想通貨では、PoW以外の方式で報酬が得られるものもあります。

 今回は、その中でも主なものを3つ紹介しましょう。

1 プルーフ・オブ・ステーク(PoS)

 プルーフ・オブ・ステーク、「PoS(Proof of Stake)」は、簡単に言ってしまえば、その通貨の保有量に応じて報酬がもらえる方法です。

 PoWのようにコンピュータをフル稼働して皆が同じ土俵で競争するわけではありませんので、大量の電気を消費するというPoWのデメリットは解消されます。
 一方で、通貨を保有すればするほど有利になるために、投資家がその通貨を手放さずに流動性が乏しくなるというデメリットがあります。

 現在、ビットコインと並んで二大巨頭と言われるイーサリアムは、2018年中にPoWからPoSに移行することを表明しています。

2 プルーフ・オブ・インポータンス(PoI)

 プルーフ・オブ・インポータンス、「PoI(Proof of Importance)」は、PoSのデメリットで指摘した「流動性が乏しくなる」という欠点を補うために考案された方法です。

「Importance=重要性」というのは、PoSのようなその通貨の保有量だけでなく、取引量や取引回数なども加味して報酬を与えることで、通貨の流動性を高めようというものです。

 PoIを採用している代表的な仮想通貨がネム(単位は「ZEM」)ですが、ネムの場合にはマイニングとは呼ばずに「ハーベスティング(収穫)」と呼びます。