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“集金マシン”としてのソーシャルゲームに明日は創れない!「ポケモン+ノブナガの野望」の制作トップが語るビジネスサステナビリティ

――石原恒和ポケモン社長×襟川陽一コーエーテクモゲームス社長 
スペシャル対談

石島照代 [ジャーナリスト]
【第27回】 2012年3月19日
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石原:ゲームの設計が“お金”から入った場合、それはマネタイズと呼ぶのかもしれないけど、顧客サービスともいえる。彼らは上手に接客してくれるわけで、その接客の部分は我々に欠けていると思うんですね。そこに学ぶべきところはあるかなと。

襟川:コーエーテクモも、2003年からスタートした「信長の野望 Online」が来年10周年を迎えますが、これだけやっていると「オンラインゲームはサービス業だな」と心底感じますね。当時高校生だった方がビジネスマンになって、まだずっとプレイしてくださっている。そういうことは本当に制作者冥利に尽きます。次々と新作をつくって出していくパッケージゲームとはまた違う喜びがあります。

石島:今後のパッケージビジネスは、ソーシャルゲームのサービス業を融合したような形で進化を遂げるのでしょうか。

襟川:そうだと思います。ダウンロードコンテンツの盛り上がり具合を見ていますと、サービス業を重視したパッケージビジネスは次のメインビジネスになり得ると思います。

「いいもの」と「売れるもの」は両方、
コンテンツビジネスのサステナビリティに不可欠

石島:今後のコンテンツ企業のサステナビリティは、襟川さんのような並大抵ではない熱意をもたれた開発者と、ソーシャルゲームで見られるサービス性が支えていくと言うことになるのでしょうか。

石原:結局は人ですよ。次になにを出して、どういうことをしていこうかっていう、興味が持続している人の存在がすべて。

石島:その「人」も経営上の課題になりますよね。最近は、開発者の人件費と利益のバランスに悩む企業も多い。パッケージビジネスとソーシャルゲームがビジネス上の優劣で比較される際、必ずといっていいほどコストの問題に言及されます。開発期間も延びることが多いし、パッケージのコストは人件費が大半を占めるので、「パッケージビジネスはコスト管理がなってない」とか言われてしまいがちです

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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