任天堂が6年ぶりに、3D映像が楽しめる新しい携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」を売り出した。ソニーも次世代機の年内投入を表明。両雄の新商品に色めき立つゲーム業界だが、足元を見れば、安くて手軽なゲームを大量に抱えるアップル、無料で遊べるソーシャルゲームなどの勢力が迫ってきている。

3DSの発売日、特設コーナーに集まるゲームファン
Photo by Toshiaki Usami
ソニーの次世代携帯ゲーム機
Photo:AP/AFLO
存在感を増すiPod touch

 2月26日朝、東京・池袋のヤマダ電機LABI1では、気温4度の寒さのなか、ダウンジャケットやコートを着込んだゲームファンら800人以上がニンテンドー3DSを求めて長蛇の列をつくった。

 3DSは、世界で1億4400万台を売り上げた“お化け商品”ニンテンドーDSの後継機だ。メガネがなくても3D(3次元)映像のゲームが遊べるのが特徴で、浮き上がったり、奥行きのある不思議な世界を体験できる。母子3人で並んだ小学6年生の男児は、2ヵ月遅れのクリスマスプレゼントとして買ってもらうという。すでに3Dはデモ機で体験ずみ。「画面から飛び出す感じが全然違う」と声を弾ませた。入荷台数分の整理券は、開店前になくなった。

 2万5000円という価格設定はDSの発売時価格より1万円高く、据置型のWiiも上回る。しかし初の週末で37万台超を売り上げ、3月末まで400万台(国内150万台)を出荷する見通しだ。さらに今後は「マリオ」や「ゼルダの伝説」など人気タイトルも控える。「来年度は世界1500万~2000万台の出荷見込み」(証券アナリスト)で、すでにヒット商品として「当選確定」という声すら上がっている。

 任天堂のゲームビジネスは、魅力的なハードを生み出すことで成長してきた。2000年代前半に年間5000億円規模だった売上高が、DS(04年)とWii(06年)という二つの起爆剤により、09年3月期の連結売上高は1兆8386億円とピークを記録。しかしハードの寿命に合わせるようにその後は減少を続け、直近の10年10~12月期決算は、売上高4448億円(前年同期比30%減)、純利益515億円(同58%減)と縮小。3DSの登場で、再び成長の“うねり”をつくることが急務だ。