SNSを活用した
レファレンスチェックを実施

 とはいえ、当然のことながら時代とともにチェック内容は変わってきました。

 最近はFacebookやTwitterといったSNSを利用する学生や、転職希望者が多いため、他社の例にならってA社も応募者向けのFacebookページを作ったり、PRのために企業Twitterを開設したりしています。また、SNSを活用したダイレクトリクルーティング(獲得したい人材を探し出して、企業が直接コンタクトする採用活動)も取り入れようとしているそうです。

 それとともにA社では、アルバイト店員が冷凍庫や食洗機の中に入った写真などを面白半分でTwitterにアップする、いわゆる「バカッター」の炎上が相次いだことから、採用候補者のSNSもチェックするようになりました。

 A社の人事採用責任者であるB課長へ、最終面接前の新卒採用候補者数十名のSNS利用状況と、レファレンスチェックの結果を報告した際の一コマをいくつか紹介します。

B課長   「今回も大量の調査ありがとうございました」
トクチョー 「こちらこそありがとうございます。今回は何名か本人と思われるSNSアカウントの利用が確認できました。まずWさんです」
B課長   「WさんはC大法学部で優秀な成績、サークル活動でいろんなボランティアを経験している学生でしたよね。面接でもハキハキと受け答えしていたのをよく覚えています」
トクチョー 「ローマ字名でWさんと同じ名前のTwitterアカウントで、同姓同名の別人という可能性もありますが、本人と思われる写真もアップされています。こちらの投稿とプロフィールをご覧ください。特に問題発言はありませんが、同一人物だとしたら何か参考になるかもしれません」

 Wさんと同名のTwitterアカウントには、音楽バンド活動に関する告知を始め、さまざまな曲やアーティストに対する辛口の批評がYouTubeのリンク付きでつぶやかれていました。