盲点をついて成長してきた
フェイスブック
4月11、12日、米国の議会公聴会で、フェイスブックのザッカ―バーグCEOがデータ流出事件関連の質問を受けた。出席者からはかなり厳しい追及を受けたようだが、同CEOはとりあえず無難に公聴会を切り抜けたとの見方が有力だ。
ただ、これでフェイスブックに関するリスクがすべて払拭されたわけではない。むしろ、個人情報の管理の甘さが顕在化したと見るべきだ。今回の事件によって、フェイスブックのビジネスモデル自体が大きく制約を受ける可能性も否定できない。その場合には、同社の業績にも重大な影響が出るはずだ。
これまでの同社のビジネスモデルの中心の一つは、ユーザー間のコミュニケーションなど人々の行動に関する“ビッグデータ”を集めそれを販売することだ。ザッカーバーグCEOは、このデータを十分に管理していなかった責任を認めた。それは、CEO自ら、望ましくない影響を社会に与えるリスクを認識していたにもかかわらず、放置していたと解釈できる。
今のところ米国では、ネットワーク上にあふれる個人などのデータをどう管理するか、統一されたルールをまとめられていない。ある意味、その盲点をついて、フェイスブックはSNSユーザーを集め、そのデータをビッグデータとして売り、成長を遂げていたといえる。
今回、そのリスクが顕在化し、フェイスブックの経営そのものに大きな影響が出ることも考えられる。これを契機に、ハイテク銘柄の代名詞として扱われてきたFAANG企業の競争力は、大きく変化していくかもしれない。
顕在化する
プラットフォーマーのリスク
フェイスブック問題の本質は、同社のビジネスモデルのリスクが顕在化したことだ。