このような人たちは、新年度うつやうつ病にかかりやすい傾向がある。和也さんもこのタイプであった。
 
 また、このタイプは会社にとって重要な人材である。真面目で責任感が強ければ、大きな仕事が任せられる。仕事熱心で気配りできる人も重要だ。エリート候補を守ることも上司や先輩の役目といえるだろう。

 では、どうすれば守れるのか。ポイントは、日々の言動や生活態度のちょっとした変化を見逃さないことだ。

 例えば、いつも小綺麗にしている部下が、シワのついたスーツを着てきたり、寝癖を直さずに出社する時があるかもしれない。いつも慎重に仕事をする部下が、単純なミスを連発したり、納期を守らなかったりすることもある。

 このような「いつもと違う様子」が、新年度うつやうつ病の兆候と疑ってみる。あるいは、落ち込んだ気分を解消するために、飲み過ぎ、食べ過ぎに走る人もいる。これも変化の1つである。そのような変化を見逃さないでほしい。

 上司たちは「きっと疲れているのだろう」と放っておくのではなく、「ちゃんと寝ているか?」「食べているか?」と一声かけること。「頑張ってくれてありがとう」「助かるよ」といった労い、感謝の言葉も大切だ。たったそれだけのことで、精神的負担から解放されることが意外にも少なくない。

 和也さんがそうであったように、うつ病が進行すると、人が自分から離れていき孤独感に苛まれる。そして精神的に追い詰められると、悲観的な話や被害妄想の言動が出てくるのだ。そのような時に必要なのが、相談できる上司であり、心配してくれる上司である。上司自身も忙しいとは思うが、部下・後輩に目を配り、彼らの心の支えになってあげてほしい。

※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため社名や個人名は全て仮名とし、一部に脚色を施しています。ご了承ください。