京都やユニバーサルスタジオジャパン(USJ)を回り、大阪道頓堀など大阪中心部で買い物というパターンが定着しているといわれ、これに伴い大阪地区の百貨店はどこもインバウンド景気に沸いている。

 しかし、最大の懸念材料は中国政府が昨年の12月に輸入関税を引き下げたことだろう。

 中国人観光客に人気の化粧品や家電製品、さらに紙おむつなど日用品の輸入関税を思い切って下げたのだ。例えばスキンケア化粧品の場合、従来の6.5%から2%に引き下げた。わざわざ日本で「お土産」として購入せずに、中国国内で買っても、価格は大きく変わらなくなってきている。

 現在はまだ為替が円安であることや関税や消費税などの税制面もあり、日本で購入した方がお得感はあるようだが、越境(電子商取引)ECの広がりなどで、日本製品は中国国内で買ってもあまり価格が変わらないとなると、百貨店での「爆買い熱」も冷める危険性をはらんでいる。

 Jフロントでは、中長期的にマルチサービスリテイラーを掲げ、脱百貨店を標榜しており、銀座の旧松坂屋の再開発の後は大阪・心斎橋店の再開発、また東京・渋谷パルコ不動産開発を具現化させている。

 ギンザシックスが高島屋日本橋SCに顧客を奪われ、インバウンドが離れ、需要が減少するようだと、株式市場などで不動産開発路線の将来のリスク懸念が頭をもたげてくることも否定できない。

 現在、好調な2つの要素が、巨大なリスクへと転化するという皮肉な結果を生まなければいいが――。