あるとき、どうしてもその日中に開発をしなければいけないある機能があって、それをつくれるインド人のエンジニアが帰ろうとしていました。
「ちょっと待って。今日中にあげなきゃいけない」
それでも帰ろうとする彼に事情を聞いてみると、「娘が病気だから帰りたい」と言うのです。ただ、インフルエンザではないらしく、妻も母も弟夫婦も娘さんといっしょにいることを聞き、彼の気持ちもわかりますが説得して、深夜2時までやってもらいました。
翌日、いつもより早く出社して、「ありがとう」と感謝したとき、こういわれたのです。
「次、残業なんか頼んできたら辞めてやるからな!」
そして、こう続きました。
「月に2、3回はいい。それ以上やる気はない。残業はお前のせいだ!」
と怒鳴られたのです。
もともと火を吹いているプロジェクトの後任マネジャーとして参加したので、正直、「自分のせいではないのに……」という思いもありました。
しかし、この事件をきっかけに分かったのが、海外では残業ゼロにしないとクビになる世界だったんです。
部下を残業させるのもご法度であり、自分だけ遅く働いても、「なんで、お前だけ残っているんだ」と言われ、自分の評価はどんどん下がっていく。
評価の高い成果を出すために必要なことは、先の3つ(すぐに動く、期限を死んでも守る、常にインパクトを意識する)に加えて、「仕事を圧縮する」ことが大事だと痛感しました。