では、K課長とAさんとの面談の様子を見てみましょう。

K課長 「Aさん、次回の昇格試験ですが、準備は整っていますか?」
Aさん 「はい。試験勉強も頑張っていますし、面談の準備もしっかり行っています」
K課長 「それは頼もしいですね。面談の準備は具体的に何をしていますか?」
Aさん 「はい、土日を利用してさまざまなセミナーで勉強し、人材育成に役立つ資格も取得しました。それについてアピールしたいと思って、資料を作っています」
K課長 「ちょっと、待ってください。Bさんは、面談に何も持参せずに臨むはずだから、同じにしてください」
Aさん 「課長、自分が頑張ってきたことを面接で伝えるために資料を作ることは、そんなにいけないことなのでしょうか」
K課長 「AさんもBさんも頑張っているのだから、Bさんと2人で一緒に合格してほしいなと思っているよ」
Aさん 「Bさんと仕事以外の会話はあまりしないのですが、以前から昇格よりも家族との時間を最優先にしたくて、昇格試験についてあまり乗り気ではないと話していました。今回は、私がBさんに合わせる形にするということでしょうか」
K課長 「私はどっちも頑張って仕事をしているから、平等に対応したいと思っているだけだよ」

 この面談以来、2人は会話も事務的になり、Aさんの仕事に対するモチベーションは明らかに低下してしまいました。

形式上の「平等」にとらわれ
個人に目が向いていないという失敗

 K課長は、女性社員2人が同じ環境で面接に臨み、2人とも昇格試験に合格することが、平等であると考えていました。