周辺は質屋だらけ
負けた人向けに不動産屋まで

マカオのカジノの周辺は貸金業が発達カジノの周辺は貸金業が発達 Photo by K.H.

 カジノの周辺には、独特な産業が発達する。「ギャラクシー・マカオ」はカジノのみならず、ホテル、ショッピングアーケードも併設されるが、結局、ここでは欧米系の超高級ブランドを中心にテナントを押さえていた。

「ギャラクシー・マカオ」から少し離れたところには、銀河娯楽集団の傘下企業が経営する、IRとは異なる典型的なカジノ・ホテル「スターワールド・ホテル」など、いくつかのカジノが集積する。

 この周辺には宝飾品や高級時計、モバイル端末やパソコン、高級乾物の「燕の巣」などを売る店が軒を連ねていた。むろん、風俗業の発展も想像に難くない。マカオに在住する一般市民にとって、これら“高級品”はあまり縁がない。

 それにも増して目立つのは「押」と書かれた看板だ。これは「質屋」のことで、マカオには無数に存在する。こうした質屋は「負けてから行く」のではなく、プレーヤーが事前にプレー代を調達するためのところだ。マカオに持ち込めるのは12万パタカ(約168万円)、それ以上の“資金調達”はこうした個人店で行う(詳細は次回の当コラムをご覧ください)。

 驚いたことに、不動産屋まである。看板には「売却したい方歓迎」。“スッた”客が最後にたどり着く店だ。筆者は、マカオのカジノに15年通い続けているという山東省出身の男性と出会ったが、「負けてしまい、不動産屋で自宅を売却するヤツもいる」という。ちなみに、この男性自身は「70万元でベンツを売って、返済に充てたことがある」と言っていた。

 筆者は、カジノ周辺で営業する“観光自転車”に乗った。運転手は、60代とおぼしき初老の男性。汗だくでペダルを漕ぐおじさんに、後部座席から声をかけた。マカオ市民はカジノを歓迎しているのか、と。おじさんの回答は、次のような肯定的なものだった。